クレオール料理とは長い年月を重ねて出来上がったご当地グルメのようなもの。 現地以外ではほとんど食べられないので是非試していただきたい料理です。

インド洋の中で特に美味しいクレオール料理と言えば、フランスの島であるレユニオン島が有名。 レユニオン島は昔からその地位的特異性や歴史的背景から多民族間の交流地点でした。そのため必然的に料理も無国籍的なものとして発展。まずは宗主国であるフランスの影響、次いでお隣のマダガスカルや東アフリカ、その他インドや中国などの移民を通じそれらの国々の料理要素が見事に融合しています。

ここで代表的、あるいは少し珍しいレユニオンクレオール料理をご紹介します。

 

前菜:

Tartare de Thon au Combava et Gimgembre(タルタル・ドゥ・トン・オ・コンバヴァ・エ・ジャンジャンブル)
マグロのタルタル、コブミカンとショウガあえ。
レユニオン料理にはCombava(コブミカン)というボコボコしたライムのような柑橘類がよく使われています。ライムより少し深い香りがします。
コブミカンは東南アジア料理でもよく使われるそうで、実だけではなく葉も利用するとの事(トムヤンクンの中に入っているかための葉)
濃厚でありながら爽やか。

Tartare de Thon au Combava et Gimgembre

Bouchons(ブション)
中身は豚肉や鶏肉。ブションという名前だがほぼシュウマイ。とても人気がありスーパーマーケットでも大容量で売られている。一番のおすすめはコンバヴァが入っているもの。この柑橘の香りとシュウマイはよく合う。

Samoussas(サモサ)
東南アジアの影響かサモサを出している店舗がとても多い。マルシェなどの露店でもよく売られている。中身はハム&チーズのような基本的なものからピリ辛のダカチン(ピーナッツペースト)、魚を使ったものなどもある。

Samoussas Poisson Piment(魚とピマン(辛)、薄緑色のものはキャベツ)

 

メイン:

付け合せとしてのRougail(ルガイユ)
レユニオン島でルガイユと行った場合、2種類あります。
一つ目はこのメイン料理と一緒に出てくる付け合せとしてのルガイユ。(もう一つは煮込み料理名としてのルガイユ)
具材はいくつかありますが基本的にどれも激辛。それでもついつい料理やお米に加えてしまいます。辛い物好きの方には嬉しい付け合せ。

上から時計回りに、ピーナッツベース(ダカチン)、パイナップルベース、キュウリベース、トマトベースのルガイユ

Rougail Saucisses Fumée(ルガイユ・ソーシス・フュメ)
燻製ソーセージの煮込み。
スモークされたソーセージが香ばしく、お米にも合います。

Rougail Saucisses Fumée

Rougail Boucané(ルガイユ・ブカネ)
豚肉の塩漬け。塩味がしっかりついています。

Rougail Boucané

Boucané Baba Figue(ブカネ・ババ・フィグ)
塩味のスモークポークと小型バナナの花。
バナナの花を食材にするとは南国ならではのメニューです。

Boucané Baba Figue

Cari(カリ)
島内にはインド系住民が多い影響でカレーメニューが豊富。

Cari Ti-Jacque au Boucané(ジャックフルーツのカレー)
Cari Poulet Palmiste Frais(カリ・プレ・パルミスト・フレ) 少し珍しい「鶏肉とヤシの木の核のカレー」 ヤシの木の核の味と食感はタケノコに近い。
Cari Bichique(カリ・ビシック) こちらも少し珍しいクレオール料理。 日本のシラスを彷彿とさせる小魚満載のカレー。

Civet Zourite (シヴェ・ズリット)
タコの煮物。見た目は味が強そうだが、意外とマイルド。
レユニオンではタコをZouriteと呼ぶ。

Civet Zourite

Truite au Gingembre(トリュィット・オ・ジャンジャンブル)
川魚(マス、Truite)の焼き魚料理。その上にデミグラスのようなソースやクリームソースがかかっている。こちらはデミグラスに生姜が乗ったメニュー。
山岳地帯のクレオール料理。

Truite au Gingembre

 

デザート、おやつ:

Baba au Rhum(ババ・オ・ロム)
生地にたっぷりとラム酒を染み込ませているのでかなり強い味がする。ラム酒好きにはおすすめの一品。

Baba au Rhum

Gâteau de Manioc(ガトー・ドゥ・マニョック)
アフリカで非常によく食べられているマニョックを使ったデザート。
マニョックとはタピオカの原料などにも使われるモチッとしたキャッサバの事。ケーキ自体ももっちりです。

Gâteau de Manioc(写真手前) 写真奥はGâteau de Parate(サツマイモのケーキ)甘くて美味しい。

Rhum Arrangé(ロム・アランジェ)
主に食後に飲む甘いラム酒。漬けラム。島内のフレンチレストランではコースの最後に出てくる場合も多い。パッションフルーツ、マンゴー、ライチ、バニラ、ビワ、ジャックフルーツなどを使用する。日本で例えると梅酒のような感覚に近い。各家庭・店舗で気軽に作られているが、市場やお土産屋さんでも売っている。

レユニオンの一般家庭で漬けられたRhum Arrangéコレクション

Bonbon Piment(ボンボン・ピマン)
少しピリッとした揚げ物。おやつとしても人気。

Bonbon Piment

 

また、レユニオン島の名産品として有名なライチ、ヴァニラ、ゴィヤヴィエ(赤いフルーツ)やその他マンゴー、タマリンド、ジャックフルーツなどを使用した料理やデザート・ジュースが散見されるのも特徴的。

メニューにはフランス語とクレオール語がミックスされていますので、聞き慣れない料理名があるかと思います。
(ここで言うクレオール語は主にフランスの島で話されている現地語。フランス語ベース)

旅の大きな醍醐味は、現地でしか食べられない料理です!
島にお越しの際はぜひ食してみてください。

 

最終更新日:2024年11月1日